巻一 · 図版 6
為替という補助線
円安は本当に株高か
上段は日経平均(対数・左軸)と USD/JPY(右軸)。下段は月次騰落率どうしの 60ヶ月ローリング相関。1971年の変動相場制移行以降。
「円安なら株高」はしばしば自明のように語られるが、下段の相関を見ると そうでもない。1970〜80年代は相関がゼロ近辺かむしろ負で、円高と株高が 同時に進んだ時期すらある。二つが強く連動しはじめるのは 2000年代後半、 とくにアベノミクス以降で、これは日本企業の海外売上比率の上昇と、 為替を起点にした裁定的な資金フローの拡大を反映していると考えられる。 つまり「円安=株高」は経済法則ではなく、ある時代の性質である。
データと出所
出所:FRED(NIKKEI225、DEXJPUS)。DEXJPUS は米連邦準備制度理事会の公表値で パブリックドメイン。相関は月末値の前月比どうしを 60ヶ月窓で計算。
GET https://jpxhistory.com/api/v1/yen-and-stocks.json —
元データ(JSON)。
CC BY 4.0。最終更新 2026-08-11T05:34:13Z。
よくある質問
円安になると日経平均は上がりますか?
時期によります。2010年代以降は連動が強い(相関 0.4〜0.6 程度)一方、 1970〜80年代はほぼ無相関か逆でした。恒常的な法則ではありません。
なぜ1971年からなのですか?
それ以前は1ドル360円の固定相場で、為替が動かないため相関を見る意味が ないからです。ニクソン・ショックが変動相場制の起点です。